メディア・表現文化学

メディア・表現文化学プログラム

メディア・表現文化学とは

「今・ここ」という混沌とした世界、そこには、多様な表現がさまざまなメディアのなかにあふれています。その中に果敢に身を投じ、みずから新しい道を切り開いてゆく力を養うために、このプログラムでは、さまざまな角度からのアプローチが可能です。その主なものを上げると次のようになります。

メディア・表現文化学で学べること

  • インターネットの仕組みと文化
  • モバイル社会の新しい問題
  • マスコミ論/マスメディア論
  • 地域活性化と各種メディア
  • 放送と通信の融合
  • 映像アーカイブの構築
  • 戦後日本の映像文化
  • 映像作成と表現技術
  • メディアと広告
  • 現代思想/記号論/精神分析理論
  • サブカルチャー批判の方法と実践
  • 「おたく」とポストモダン文化の可能性
  • 差別・階層・格差の語り方
  • ハリウッド映画からアニメーションへ
  • 20 世紀の美術と写真
  • 声と身体のメディア論
  • 小説と物語の構造分析
  • 演劇を語る/演劇をつくる

教員紹介

石田美紀 ISHIDA Minori (准教授,映像文化論)

お気に入りのハリウッド・スターを主人公にしてマンガや小説を創作する人がいるように、私たちのメディアとの関わりは、グローバルなものであると同時に ローカルなものであり、また公的なものであると同時に私的なものでもあります。私たちがメディアと培ってきた多様な関係に関心を持っていますが、とくに、70年代以降の少女・女性文化に注目しています。プロ・アマを問わず、女性たちは何かに突き動かされるように絶えず表現を行ってきました。このあたり、機会があればじっくりお話しいたしましょう。

齋藤陽一 SAITO Yoichi (教授,身体表現論)

ロシア、日本を中心に演劇について研究しています。ゼミでの研究を経た後の、学生たちとの芝居の上演は、今では、すっかり名物になりました(希望的観測)。脚本は、学生自身が書きます。発表は、毎年、9月。これを読んだ方で興味を持たれたら、インターネットを使って、「新潟大学人文学部齋藤研究室」という言葉で検索をしてみて下さい。お待ちしています。

猪俣賢司 INOMATA Kenji (准教授,比較文化論)

日本の表現原理は、『古今集』からゴジラ映画に至るまで、連続性を持っている。ましてや、戦前と戦後の断絶などない。そう思って、比較詩学・比較文化史の視点から西洋の古典詩学と日本の王朝歌学を研究し、日本の表現技法・表現史の理論的基盤を明らかにした上で、近現代にも眼を向けました。国策戦記映画、ゴジラ・モスラ映画、小津安二郎などの日本映画史に現われた描写について、とりわけ、戦前・戦後の「南洋」や「東京」をめぐる地理学・歴史表象の側面から現在研究を進めています。

中村隆志 NAKAMURA Takashi (教授,情報メディア論)

今、ケータイによる人々のコミュニケーションと、ケータイが作り出す様々な文化と広告について研究しています。多くの人がケータイを持っていますが、その歴史はまだ浅く、逆に言えば、我々の日常生活や人とのつながり方を今まで以上に変えていく可能性を秘めています。最も身近にあるケータイを通して、広い世界や社会、文化を研究・考察していく道がみなさんの前に広がっているのです。共に進めることを願っています。

甲斐義明 KAI Yoshiaki(准教授,表現芸術論)

専攻は近現代美術史で、これまで主に日本とアメリカの芸術写真について研究してきました。ここ数年は、著名な写真家とアマチュアによるスナップ写真の歴史に関心を持っています。授業では19世紀の写真史、日本における西洋美術の受容過程、現代アートなど、視覚表現に関するトピックを幅広く取り上げています。写真についての演習では、人が撮った写真を見ることだけでなく、携帯カメラなどで自ら撮影してみることを通して、写真という媒体の特性について学んでほしいと考えています。

原田 健一 HARADA KENICHI Kenichi (教授,映像社会論)

私が研究している映像メディアは普段から、テレビで、DVDで、ネットで、あるいはケータイで触れ、利用し、楽しんでいるものです。誰でも知っているものですが、それを自覚して考え、学ぶことを通して、再発見し捉え直してみたいと思っています。映像が現実の社会の中で、どうあるのか、さらには、映像を通して新たな文化をどうしたら創造できるのかなどなど、一緒に考えることができればと思っています。

番場 俊 BAMBA Satoshi (教授,表象文化論)

「身体」「欲望」「メディア」などをキーワードに、小説論(専門はロシア文学の ドストエフスキーですが、日本の近現代小説も少し)やイメージ論(「像とはなにか」とか、「見えるものと見えないものの関係」といった理論的・文化史的な問題)にとりくんでいます。目下の研究テーマは「顔」。学生のみなさんが選ぶテーマは、どんなものでもつきあいますが、概して、椎名林檎が好きな人とは気が合うようです。

キム・ジュニアン KIM Joon Yang (准教授,表象文化論)

専門はアニメーション研究です。アニメーションは、機械化・電子化によっていくらでも操作可能なヴィジョンを提供しており、さらには人間の網膜(=レティナ)に取って代わりつつあります。一方、世界中で注目を浴びている日本の「アニメ」には、人間の機械化・電子化というテーマの作品が数多くあります。アニメおよびアニメーションを中心に現代の視覚体験やそのメカニズムについて皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

三浦 淳 MIURA Atsushi(教授,テクスト文化論)

専門はドイツ文学ですが、授業では知識人論、近現代思想、差別語問題、クラシック音楽と文字テクスト、各種評論(芸術、文芸、社会)、アメリカ論、貴族論、フィクション原論(グリム童話、SF、推理小説など)といった幅広い領域を扱っています。現代文化について深く考察するためには、過去の文化状況や外国の事情を学ぶなどして、今現在の日本を相対的に見る能力を身につける必要がありますが、私の授業はそうした能力の涵養を最大の目標としています。

古賀 豊 KOGA Yutaka (准教授,メディア文化論)

メディア論を専門としています。近代以降の社会は、印刷、写真、映画、TV、コンピュータ、インターネットといった様々なメディアの登場により、それまでの社会と比べて大きな変容を遂げています。今日、その変容の速度はますます増加し、われわれの生活のあり方そのものを変えてしまうかのようです。このような時代は、ある意味では、たいへん興味深く、面白いものです。現代という時代の意味を、皆さんといっしょに考えていきたいと思います。

研究紹介

目に見えない操作と映像のミステリーへ迫る

キム・ジュニアン(准教授)

2次元キャラクターやロボット、プラモデル、コスプレ、聖地巡礼など、ポピュラーカルチャーの様々な場面において、その中核もしくは一角を占めているのはアニメーションといえるでしょう。このアニメーションというのは、長い間主にテレビやビデオソフト、映画館を中心に楽しまれ、さらにインターネットからもアクセスできるようになりましたが、それらのメディア・プラットホームを通して見られる作品が、逆に今日我々が「アニメーション」に対して持っている一般的な印象を決定付けてきたともいえます。

しかし映像としてのアニメーションそのものは、実際、既にお馴染みのテレビコマーシャルやゲーム映像からパソコン・スマートフォン上のインターフェース、自動販売機の案内画面に至るまで現代社会の様々なところに浸透しています。一方、デジタル化とCGテクノロジーの普及によって、実写とアニメーションとの境界もあいまいになっ ています。外見的にすぐには分からなくても、アニメーションならではの発想が実写に及ぼす影響は益々拡大しつつあります。

アニメーション特有の発想とは何か?簡単にいいますと、「操作」という言葉で要約できます。映像制作、さらにその操作のプロセスは、メイキング特典映像やCGソフトウエアの大衆化によって一般にも広く知られているように見えます。しかしある作品を楽しみ共感し、さらにコスプレや聖地巡礼のように人の体まで動かされるには、作り手と映像との間、映像と受け手との間に複雑な多くのメカニズムが働いています。スクリーンの四角い壁を越え日常空間に広がっているアニメーション映像とそれを取り巻く社会環境を探究・理解することは、デジタル時代のもうひとつのリベラル・アートになると思います。

演劇をどのように学び、研究するのか?

齋藤 陽一 (教授)

演劇が勉強のテーマに?さらには研究の対象に?なかなかイメージしにくいかもしれませんね。それも無理はないかも知れません。中学、高校と、演劇は部活動の一種だったでしょうから。また、実際に、演劇を見に行ったことがある人も、娯楽として見に行ったでしょうし。

新潟大学で演劇を学ぶといっても、役者になる ための訓練を受ける訳ではありません。もちろん、役者になった卒業生が皆無という訳ではありません(有 名ではないにしても)。でも、そのためには、新潟大学よりは、あそことか、はたまた、あそことか、専門学校に行った方が近道だと思います。確かに、実際に脚本を読んだり、場合によっては舞台に立つこともあります。小さいところですが。でも、それは、役者としての活動の第1歩ではありません。

では、この主専攻では、どのように演劇を学ぶのか?そうですね、その前に、例えば漫画とか、音楽とか、やはり研究の対象としてはイメージしにくいものを例として、どう学ぶのかを考えてみましょう。例えば、ある時代の少女漫画などで、壁の上に文字が書き連ねられているのを見たことはありませんか?勿論、あれは、壁の上の落書きではなくて、登場人物の「思い」があのような形で描かれているわけですね?

考えてみたら、ほとんどの人があれを壁の落書きだと思わずに、主人公の心の声だと理解できるのは、すごいことだと思うのです。そういう知覚のあり方などが、研究の対象になることもありますし、こうした表現方法が、「内面の発見」などと称されて、ある時代の漫画家(達) の考え方や、さらには、その時代の社会の考え方とも結びつけて、研究されることもあるのです。なんとなく、分かっていただけましたか?

では、演劇をどのように研究するかですが、おっと、紙幅が尽きたようです。そこで、このことについて、知りたい方は、是非、新潟大学人文学部においでください。お待ちしています。

Student Voice

身近なものを新たな切り口で

ディア・表現文化学 昆 実咲

メディア・表現文化学プログラムでは、SNS、雑誌、広告、映画、小説、アニメなど、みなさんが日常生活の中でよく目にするものが研究対象です。今まで何気なく見ていたものが、別の視点から捉えることで、全く違う見え方になる、それがこのプログラムの大きな魅力のひとつです。私はゼミで、同じ時間を何度も繰り返す「ループもの」と呼ばれるジャンルの映画とテレビゲームの理論を結びつけて分析をしています。一見、関連がないように思えるこの2つが、論文を読み、学生同士で意見を交換し合い、教授の解説を聞く中でどんどんと結びついていくのが快感なのです。他にも、映像を見ながら分析する講義や、自分たちで動画を撮影する講義などがありますが、どの講義も新たな発見の連続です。みなさんも豊富な知識を身につけた教授のもとで、発見を楽しみながら身近なものを捉え直してみませんか? きっと日々の生活が今よりも鮮やかに見えることでしょう。

「好き」がどこから来るのか?

メディア・表現文化学  穴沢 基

私は小さい頃からアニメや漫画、ドラマやバラエティ番組が好きでした。その自分の「好き」がどこから来るのか?そんなことをメディア・表現文化学専攻では学ぶことができます。私は映像の演出や構成に興味があり、映像製作の授業で5分ほどの映像を製作した際、自分がコンテを切った通りに映像を作るのがどれだけ難しいか実感しました。最後に完成した映像を見たときは、言葉にできない感動を覚えると同時に、将来はこの分野に就職したいという夢も生まれました。この経験を生かし、所属する探検部のPVを作成したところ評判が良く、授業でやったことがちゃんと身に付いていることが分かって嬉しかったです。今後は今年部活で計画されている佐渡新潟間ボート横断のドキュメンタリーを作りたいと思っています。この分野を学べば学ぶほどやれることとやりたいことがどんどん増えてきて、忙しくも楽しい毎日を送っています。皆さんも是非新潟大学人文学部へ!

「伝える」を学ぶ

メディア・表現文化学  松岡 きらら

テレビ、新聞、映画、広告、写真、SNSなど、私たちは多くのメディアに囲まれ生活しています。これらについて様々な視点から学ぶことが出来るのがメディア・表現文化学プログラムです。私は元々広告美術や演劇に関心があり、また、高校時代に新聞部員だったため「人に何かを伝える手段としての表現」についてもっと深く学びたいと思い、人文学部に入学しこの専攻を選びました。今は、実際に脚本を書いて演劇を公演するゼミと、ミュージックビデオを制作するゼミに所属しており、個性的で面白い先生方や仲間たちに囲まれ、日々様々なことを学んでいます。この専攻で勉強していくうちに、自らを取り巻くものについて多角的に捉え、より意欲的に向き合えるようになったと感じています。自分の好きなことを突き詰めて学びたい、身の回りにある色々な表現に興味がある、そんな方は、ぜひメディア・ 表現文化学プログラムに来てみて下さい。きっと新たな発見が連続の充実した毎日を送ることが出来ます。

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