新潟大学人文学部では、計23の学問分野を専門にする約60名の教員が3つの学位(主専攻)プログラムのいずれかに所属し、学部教育に一体的に取り組んでいます。学生は、2年次進級時にいずれかのプログラムを選択し、それぞれのプログラムを中心に幅広く学びます。さらに3年次からは、特定の専門分野のゼミ・研究室に所属し、自らの専門性を深めていきます。
心理・人間学プログラムは、人間とその心の解明をめざして、心理学と人間学の分野(哲学・西洋哲学史、倫理学、美術・芸術学、宗教思想史)を学ぶ教育プログラムです。心理学あるいは人間学のディシプリンを身につけ、その知識を体系的に表現したり、心や行動に対する科学的な分析や思想や芸術にまつわる理論的な洞察を行ったり、現代の「人」をめぐる問題に対して新たなアプローチをもって挑戦し、粘り強く取り組むことができるようになることをめざします。
心理学分野では、実験や調査などの実証的方法によって人間の行動や心の問題に迫ります。心理測定やデータ解析に関する基礎的知識を身につけたり、人を対象とした研究を行う際の研究倫理について理解したりすることも求められます。人間学分野では、原典や文献の読解、哲学対話、芸術研究や批評等を通じて、人間の精神的営みについての理解を深めます。人間性の本質とは何か、徹底して考察することが求められます。
これらの学修を通して、現代の人々が直面するさまざまな課題に対して、人間の心と行動についての深い理解に裏づけられた科学的分析と思考ができるような人材を育成し、心理専門職、研究職、教員(高校公民・中学社会)をはじめ、公務員や民間企業の職員など、幅広い領域で活躍できる人間力を養うためのプログラムとなっています。
※心理人間学プログラムの最新情報について、学生がブログ記事を配信しています!(人文学部学生プロジェクト)
◆卒論概要集◆
★多様な観点から社会をとらえる★
人間の社会文化的な営みを、歴史学、フィールドスタディーズ(考古学、地理学、民俗学、芸能論、社会学、文化人類学)、情報メディア論の各領域を通じて学びます。歴史学では、資料・史料や文献を自分で探し、読み込む力を身につけ、世界中のさまざまな地域の人々が何千年にもわたって繰り広げてきた営みを明らかにします。フィールドスタディーズでは、直接現地に足を運び、自らの目と耳を使い、五感を働かせて調査し、社会や文化の仕組みを考えていきます。情報メディア論では、私たちの日常生活を形作っているメディア文化を分析的に考える基礎を養います。
このプログラムでは学習法、外国語、調査リテラシー科目の学修によって基礎的なリテラシーを修得するとともに、各領域のディシプリンについて基礎科目群と領域融合的な中核科目群を履修して多面的な理解を深めていきます。古文書など歴史資料の解読、フィールドワークといった実践学修によって、大学院進学や教員・学芸員などの資格をいかした職業はもちろん、広く官公庁や一般企業で働く上でも活きる人文学的な実践力を身につけます。
※社会文化学プログラムの最新情報について、学生がブログ記事を配信しています!(人文学部学生プロジェクト)
◆卒論概要集◆
言語文化学プログラムでは,日本,中国,韓国および西洋諸国(英米独仏露)の言語・文学・文化,さらに一般言語学を学びます。
言語分野では,音声,語彙,文法などの姿を客観的に観察し,その姿を支える規則性・法則性を考察します。さらに,言語の歴史的変化や普遍性・個別性などの奥深さを理解します。また,文学分野では,古代から現代まで生み出されてきた詩歌や劇,物語,小説などの文学作品を研究し,人間の優れた叡智に触れ,普遍的諸問題についての考察を深めます。そして,文化分野では,芸術,歴史,社会の変動など,幅広い文化的事象に関して知識を拡げ,多角的な視野と分析的思考の陶冶をはかります。
本プログラムでは,上記のような分野を専門的かつ横断的に学習・研究することが可能であり,時代や地域を異にする文化に対する理解を深め,多様な価値観が共存する国際化社会の中で生きていく思考力や行動力を身につけることができます。この言語文化研究の専門性は,国語科および外国語科の教員資格の取得,また翻訳・通訳業などはもちろん,官公庁や民間企業で活躍するためにも活かしていくことができます。
※言語文化学プログラムの最新情報について、学生がブログ記事を配信しています!(人文学部学生プロジェクト)
◆卒論概要集◆
私たちにとって、人間という存在ほど不思議なものはありません。ひとの心はどのように働き、何を生み出すのでしょうか。このプログラムでは、実験や調査によって心のしくみを実証的に解明するとともに、ひとの心が作り出してきた思想的文献を読み解くことで、人間という謎にせまります。
社会・地域文化学の特色であるフィールドワーク=現地調査とは、直接現地に足を運び、自らの目と耳を使い、五感を働かせて調査し、考えることです。フィールドワークは、人々が築いてきた世界を実感し、人間社会の多様性を理解するための極めて有効な方法なのです。
歴史上のできごとは、一回限りで決して繰り返さない。だからこそ何度も何度も振り返られる。振り返るたび毎に、過去は違った姿を見せる。それは歴史を振り返るという行為が、われわれの現代とその未来に関わっているからなのだ。
日本を含むアジアという空間で生活をしていながら、私たちは「ここ」についてどれほど知っているのでしょう。この空間には、何千年もの間、アジアの人々の発してきた言葉が、響き合いながら今も漂っているのです。私たちが自然に呼吸している言葉についてもっと知りたくありませんか。
ヨーロッパとアメリカという「西洋」は、日本人にとって複雑怪奇で魅力的な存在です。響き豊かな言葉、読みきれないほど多くの文学作品、彩りあふれる芸術、おいしい料理の数々、さまざまなスポーツ、ファッション・・・。このあまりにも深い世界にどっぷり浸り、考え、交流し、探求しましょう。
テレビ、マンガ、ケータイ、写真、映画、演劇、音楽、小説、雑誌、新聞、コマーシャル、ブログ……。私たちの身の回りは、さまざまなメディアと表現であふれています。こうした日常を捉え直すこと。それはつまり、現代社会で生きることのリアリティを深く探求していくことなのです。