新潟大学人文学部

カリキュラムの特色

人文学部の教育カリキュラムは、教養教育と専門教育の連携によって幅広い教養と確かな専門知識を涵養し、人文学に根ざした実践知と実践スキルを育むことを目指しています。専門的な内容を深く学べることはもちろん、これからの社会で活躍するために不可欠となるさまざまなスキルも身につけられるように、多彩な授業内容が用意されています。

人文学部にはとくに以下のような特色があります(大学の公式ページも参照してください)。

1学科23分野&少人数制による幅広い学びで人文スキルを磨く

人文学部では、1学科制をとっているため、哲学や歴史学のような代表的な人文学はもちろん、心理学や社会学のような人文社会科学、さらには言語学に至るまで、人文科学の諸分野を広く学ぶことができます。人文学部には約60名の教員が在籍しており(教員紹介)、1学年でみると、教員1人あたりの学生数は約3.5人です。

具体的には、心理学、哲学、倫理学、宗教思想史、芸術学、社会学、文化人類学、民俗学、考古学、人文地理学、芸能論、メディア論、日本史学、アジア史学、西洋史学、言語学のほか、日本、中国、朝鮮、イギリス・アメリカ、フランス、ドイツ、ロシアの各言語学・文学・文化学という計23分野に及び、教員ないし分野ごとにゼミや研究室を運営しています。

人文学科に入学すると、まずは1年間で自分の学びたい外国語と自分の関心のある教養科目(上記分野に限らず、情報リテラシーなども含めさまざまな科目があります)を中心に人文科学の基礎をみっちり勉強してもらうことになります。そして、「人文入門」や「初年次演習」、さまざまな「入門講義」を履修し、23分野の特徴を知り、レポートの書き方やプレゼンテーションの方法などを学び実践することで、大学での高度な学修へとスムーズに移行する準備を整えます。時間をかけて自分の専門分野を決めてください。

さらに、受講者を25名以下に制限した1年次の「人文初年次演習」に始まる4年一貫の演習科目(ゼミ)では、きめ細かな指導を受けることで、課題を探究し解決する能力、自己を表現する能力、多様な他者と協働する能力を含む「人間力」を磨くことができます。

2年次からの主専攻プログラムで自分のオリジナリティを築く

2年次に進級するときに自分の専門分野を決定し、それぞれの分野が属する3つの主専攻プログラム(心理・人間学、社会文化学、言語文化学)のひとつに所属することになります。卒業するまでの3年間は、それぞれのプログラムのカリキュラムに沿った学習に励みます。教員も3つの主専攻プログラムのいずれかに属しているため、一体的な教育を受けることができます。

たとえば、「基礎演習」では、各主専攻プログラムにおける基本的読解技術、分析能力を養います。各分野の「基礎講義」では、自分の専門分野と隣接・関連分野の基礎知識を講義形式で理解し、「実習科目」を通して体得します。自分の専門分野と、自分の関心のあるテーマに近い分野を組み合わせて実践的に学ぶことで、自分だけの視野・視点を獲得してください。

また、自分の関心によっては、自分の所属するプログラム外の科目や他学部の科目を履修することもできます。各専門分野の科目がモジュールとして体系化されているため、フレキシブルな学びが可能になっています。

人文学部では、3つのプログラムごとに、「ディプロマ・ポリシー」(学位授与の方針)、「カリキュラム・ポリシー」(教育課程編成・実施の方針)および「アドミッション・ポリシー」(入学者の受入れの方針)を策定しています。それぞれのプログラムで、どのような専門知識が獲得でき、どのようなスキルが身につくのか、詳しくは大学公式サイトでご確認ください。

さらに、2年次からは「キャリア科目」や「表現プロジェクト演習」の履修が可能になります。キャリア科目では、様々な業界の現場で活躍する方々から直に話を聞くことができ、卒業後の人生設計や就職活動について具体的に考えることができます。

ひとつのゼミで専門分野を深めるだけでなく、複数のゼミに所属し視野を広げる

3年次からは、専門分野の発展演習(ゼミ)が始まり、特定のゼミに所属することになります。同じ専門分野の仲間とともに、それぞれの分野に応じた原典・原資料の読解、資料・データの分析・解析、プレゼンテーションや討論を行い、自らの研究テーマを深めていきます。

さらに、人文学部の特色として、自分のゼミだけでなく、自分野の他ゼミや関連分野のゼミにも所属できます。たとえば、フランス哲学を研究する哲学専攻の学生が、フランス言語文化のゼミに参加したりしています。複数のゼミに参加し、さまざまな教員やゼミの仲間と接することで、自分の研究を多様な視点から取り組むことができるようになります。そして、4年次には的確な分析と論理的な考察が行き届き、説得力もある卒業論文を仕上げることができるでしょう。

充実した英語・外国語科目で、自信をもって研究・留学できる

英語・外国語科目も充実しています。初修外国語(いわゆる第二外国語)では、日本人教員とネイティブ教員による週3~4コマのインテンシブ授業により「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能のバランスに配慮して、総合的な運用能力を1年間で涵養します。英語・初修外国語ともに、少人数制の中級・上級科目が選択科目として用意されているので、4年間かけてハイレベルな語学力を手に入れることも可能です。初修外国語を積極的に履修すれば、英語圏以外の国への留学も視野に入ることでしょう。

また、英語については、短期集中プログラムiStepも用意されており、日本にいながら、英語母語話者の教員チームから海外の英語研修に準じる密度の高い授業を受けることができます。 レベル別の少人数クラスで総合的な英語の運用能力を伸ばすことができ、将来留学を考えている人にはとくにお勧めです。

さらには、初修外国語としてドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語、朝鮮語に加えて、スペイン語を選択することもできますし、古代ギリシア語やラテン語といった古典語科目も開講されています。

アクティブ・ラーニングの成果を地域社会に発信する

学生の取り組みと実践によるアクティブ・ラーニングも大きな学習効果を上げています。たとえば表現プロジェクト演習では、学生が協同して創造的な活動を行い、その成果を地域社会に向けて積極的に発信します。演劇や映像作品の製作・発表、地域の民俗芸能への参加など、これまでの人文学の枠組みを超える先駆的内容を展開し、国内外の教育関係者からも高い評価を受けています。

 

ほかにも人文学部では、教員免許、学芸員、社会調査士、公認心理師(受験資格)の資格取得に対応しています。詳しくは、免許・資格のページをご覧ください。

以上のように、人部学部のカリキュラムは、高校の学びからの接続、卒業後の就職・進学を強く意識しており、学年に応じたきめ細かな少人数の教育体制により豊かな学びを実現しています。

多彩な分野にわたる人文学部のスタッフは、多彩な皆さんの将来を支えるサポーターでもあります。4年の間に修得した基礎的・専門的なリテラシーは、社会人として地域のなかで、あるいは国際的な場で過ごしていくうちに、豊かな実を結んでくれることでしょう。皆さんと、人文学の新たな歴史と伝統を築いてゆくことを楽しみにしています。

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