新潟大学人文学部

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第12回佐渡学セミナー開催のご報告

掲載日:2023年08月30日

令和5年8月26日(土)、佐渡市の新穂トキのむら元気館にて、第12回佐渡学セミナー(佐渡市教育委員会主催、新潟大学人文学部共催)が開催されました。

この佐渡学セミナーは、平成22年3月17日に新潟大学人文学部と佐渡市教育委員会の間で締結された連携協定に基づく事業です。この連携協定によって、これまで民俗学・地理学・社会学などの教員や学生が、佐渡島内の調査・研究を進めてきたほか、講演会・報告会・研究会の開催、報告書の刊行などを通して、佐渡市民に成果を還元してきました。

佐渡学セミナーは、年に1回の開催で、人文学部の教員らによる講演が行われます。今回は、民俗学研究室から調査報告と講演が行われました。

前半は、花野千尋さん(人文学部卒、現在大学院現代社会文化研究科前期博士課程在籍)による「赤玉地区の民俗調査報告」でした。今年度、民俗学研究室では、両津地区赤玉の民俗調査が実施されています。現在実施中の調査から、赤玉に伝承されてきた祭りや芸能、信仰を中心に、地域の人々の多様な結びつきや暮らしぶりが報告されました。

後半は、人文学部の飯島康夫准教授による講演「佐渡におけるムラと組―結衆の民俗―」が行われました。この講演では、民俗事象を継承し人々の結集の母体となってきたムラ(村)と、ムラを構成する様々な組の果たしてきた役割と変化について、新潟大学が佐渡地域で行った民俗調査の資料を中心に、市町村大字史資料も用いながらながら民俗学的な知見が示されました。

会場には、高校生を含む81名が訪れました。それぞれの調査報告・講演のあとには、活発な質疑応答も行われました。

なお、本年11月5日(日)には、佐渡学シンポジウム「『万葉集』と日本海・越・佐渡」(新潟大学人文学部主催、佐渡市教育委員会共催)が開催される予定です。開催近くになれば、このサイトでも詳細を御案内いたします。(文責:中本真人)

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