新潟大学人文学部

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『新潟日報』で昨年度の考古学実習の調査成果が取り上げられました

掲載日:2024年06月05日

『新潟日報』(2024年5月30日付、14面)にて、本学人文学部の考古学研究室による長岡市赤坂遺跡の発掘調査の成果が取り上げられました(新潟日報デジタルプラス)。

長岡市寺泊地域の入軽井地区と和島地域の上桐地区にまたがる赤坂遺跡は、弥生時代後期から終末期(2世紀から3世紀前半)に営まれた高地性集落遺跡で、標高90m以上の山中に所在します。2021・2022年におこなわれた山道脇の切通面の発掘調査では、幅約7.3m、深さ約3.6mをはかる断面V字形の溝が確認されました。同時代の高地性集落のなかで県内最大規模の事例です。

昨年8、9月に実施した第3次調査では、この溝の延伸方向や周辺地形との関係を確認するため3箇所の調査区を設定して発掘をおこないました。その結果、溝は東西約35m以上にわたって延びており、集落を取り囲む「環壕(かんごう)」であったことを突き止めました。緊迫化した当時の社会情勢を示唆する集落の形態とみられます。

なお、第3次調査の結果と関連研究の成果をまとめた発掘調査報告書は、奈良文化財研究所の全国遺跡報告総覧に公開しています。

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