掲載日:2024年06月11日
考古学分野の白石典之教授が、新著『元朝秘史―チンギス・カンの一級史料』を中央公論新社(中公新書)より刊行しました。
『元朝秘史』は、「蒼き狼と白き牝鹿」の伝説から始まり、チンギス・カンの生涯とその事績を中心に、その族祖伝承から第二代君主オゴデイの治世に至るまでが詳細に記されています。モンゴル帝国研究に欠かせないこの史書には、他方で、異母弟を殺害した事件や、妻ボルテの誘拐、後継の座をめぐる息子たちの争いなど、生々しいエピソードの数々も含まれており、チンギス・カンを描いた歴史小説の多くはこの元朝秘史を元にしています。
この壮大な歴史絵巻について、本書では、30年以上にわたり現地で発掘調査を行ってきた白石教授が、最新の知見に基づき解説しています。白石教授によれば、800年前の歴史の話題だけでなく、地理的な情報や遊牧民の暮らしについてもわかりやすく触れています。モンゴルを旅する気分で本書を手に取っていただき、大草原に吹き渡る爽やかな風を感じてください、とのことです。ぜひご覧ください。