掲載日:2024年07月13日
『ソクラテスの弁明』を読む。デカルトの『省察』を、ルソーの『告白』を読む。テクストを読むとは、文字を追い、書かれた内容について思考をめぐらすことである──否、そう単純に言えるだろうか?
テクストを読む行為のなかで、わたしたちは内容ばかりでなく、創造する書き手の「語り」にまちがいなく出会っている。語りはエクリチュールである以上、やがて書き手の制御を超え、思想の、ひいてはテクスト自体の語りとして作動しはじめる。
デリダとド・マンによる「読むこと」をめぐる思想は、そのようにテクストの語りにまで迫りゆく「読む」行為の極致へわたしたちをいざなう。
今回のNiiPhiSでは、ジャック・デリダの哲学を研究してきた宮﨑裕助氏をゲストにお迎えします。近著『読むことのエチカ──ジャック・デリダとポール・ド・マン』(青土社、2024年)のクライマックスである第Ⅲ部を中心に、デリダとド・マンの「読むこと」をめぐる省察と実践について、質疑応答を交えながらお話しいただきます。
ゲスト:宮﨑 裕助 | 専修大学
特定質問者:貝沼 千尋 | 新潟大学
司会:阿部 ふく子 | 新潟大学
2024年7月27日(土) 15:30-17:30 ※延長あり
「MOYORe:」ホール(新潟駅CoCoLo南館 1F)
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※当日受付も可能ですが、準備の都合上、できるかぎり事前申込み(7月25日まで)をお願いいたします。
1974年生まれ。兵庫県出身。東北大学文学部卒、英国近現代ヨーロッパ哲学研究センター(CRMEP)修士課程、および東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。 新潟大学人文学部准教授を経て、現在、専修大学文学部教授。専攻は、哲学・ヨーロッパ思想。著書に『ジャック・デリダ──死後の生を与える』(岩波書店、2020年、第12回表象文化論学会賞受賞)、『判断と崇高──カント美学のポリティクス』(知泉書館、2009年)ほか。共訳書に、ジャック・デリダ『メモワール』(水声社、2023年)、ロドルフ・ガシェ『脱構築の力』(月曜社、2020年)、ジャック・デリダ『哲学への権利 2』(みすず書房、2015年)、ポール・ド・マン『盲目と洞察』(月曜社、2012年)ほか。
★近著『読むことのエチカ──ジャック・デリダとポール・ド・マン』(青土社、2024年)
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新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは2009年に新潟大学を中心に立ちあがった公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。参加費不要です。どなたでもご自由にご参加ください。
新潟大学人文学部
新潟大学人文学部附置地域文化連携センター
阿部 ふく子(新潟大学人文学部准教授)
※ポスター内のアドレスへメールでお問い合わせください。