掲載日:2025年03月24日
2025年3月24日、全学の卒業式に続けて、新潟グランドホテル「悠久の間」にて、人文学部卒業祝賀会が開催されました。総勢250名以上の卒業生、教員、そして、来賓の皆様が一堂に会しました。
会場では、卒業証書を手に、笑顔と達成感に満ちた卒業生たちの晴れやかな姿が溢れていました。大学生としての時間をともに過ごした仲間たちや恩師と語らいながら、大学生活で築いた絆や思い出を確かめ合い、新たな門出を祝いました。
なお、本祝賀会の開催にあたっては、学部教員による拠出で運営されている親交会とともに、同窓会・後援会からの心温まるご支援もありました。厚く御礼申し上げます。
卒業生のみなさんの、さまざまな舞台での今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
以下に、人文学部長挨拶の要旨と、卒業生代表挨拶の全文、当日の写真を掲載します。
ご卒業おめでとうございます。皆さんは,これからの人生でさまざまな「壁」に出会うかもしれません。世の中は思い通りに行かないし,理不尽なことが満ちあふれています。ただ皆さんには,そんな時のための武器があるはずです。学生時代にゼミや卒論で「何かを深く考える」経験をしてきたことは,皆さんを支える底力になってくれるでしょう。
この4年間で皆さんが身につけた力は,直接すぐ仕事に役立たなくても,深い部分で皆さんを支え,また皆さんの人生を豊かにしてくれるはずです。人文学部で養われた能力,実力は,けっして古くならず,時間が経てば立つほど皆さんの中に根をはっていくようなものだと思います。自信をもって,社会の中で,また職業人として活躍してください。ただ,けっしてがんばりすぎないように。ちゃんと食べてしっかり眠ることは,必ず心がけて下さいね。
皆さんの将来が広々と開けて,楽しく希望に満ちたものになることを,教職員一同,心から願っています。(人文学部長 松井克浩)
繰り返し訪れた寒さもようやく落ち着き、柔らかな風の中に春の香りを感じられる季節となりました。講義室で行われた入学式から4年が経ち、当時とは異なる盛大な形でこうして祝賀会を開いていただけたことに大きな喜びを感じるとともに、開催にあたって携わってくださった多くの皆様に深く感謝申し上げます。
大学で過ごした 4 年の間の社会を振り返ると、真っ先に思い浮かぶのはあまり明るくない出来事が多いように感じます。一方で、そうした社会を過ごしてきたからこそ悪い状況も長くは続かないことを身を持って経験できた大学生活だったと感じます。
一つ、個人的な話になりますが、昨年の元旦に起きた能登半島地震の際、私はスマートフォンの通知を聞いて大学内にある外階段の最上階に避難しました。当時、やっていること一つ一つが重く感じ、1人で悩む日が多かった中で起こった地震に、正直「まだ悪いことが起こるのか」と思ってしまいました。ただ、たまたま避難先で会ったゼミの先輩と話したことがきっかけで専攻内の同級生と関わる機会が増え、結果的に卒論に取り組んだり、進路を決めたりしていくうえで私にとって大きな支えとなりました。その後も進路がなかなか決まらなかったりと前を向きづらい時期は何度かありましたが、不思議とその後には良いことがセットで起こっていたと、今振り返って感じます。「禍福は糾える縄の如し」(良いことと悪いことは表裏一体で、より合わさった縄のように交互に起こる)という言葉がありますが、まさにこの言葉の通りの大学生活だったと感じます。
1週間後からはそれぞれ新たな場所で新たな生活を始めることになります。特に4月は、大学生とはまた異なる人間関係との向き合い方に悩んだり、慣れない環境で失敗を重ねて自分を責めたりすることも少なくないと思います。そうした時に、頭のどこかで「禍福は糾える縄の如し、今が苦しい、思い通りいかない状況なら順番的に次は良いことが起こるはず」というように、根拠はなくても漠然とそう思うことができれば、少しだけ状況を前向きに捉えることができるかもしれません。
4年間、新潟大学や人文学部で過ごしたことで得られた考え方を大切にしながら、これから社会に貢献していきたいと思います。
最後になりますが、この祝賀会を開催するにあたって多くのご支援をいただいた同窓 会、後援会の皆様、会の準備を進めてくださった人文学部学務係の皆様、お忙しい中ご出席くださった人文学部の先生方に改めて御礼申し上げます。
今隣にいる仲間たちと数年後に再会しこの大学 4 年間を振り返った時に、懐かしさや少しの寂しさを感じられる日が来るまで、卒業生全員がそれぞれの場所で、温かく穏やかな生活を送ることができるよう願って代表の挨拶とさせていただきます。(人文学部卒業生代表 酒川卓登)