新潟大学人文学部

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シンポジウム「折口信夫・池田弥三郎の見た佐渡」が盛況のうちに開催

掲載日:2025年11月05日

 令和7年11月2日(日)、佐渡市の佐渡島開発総合センターで、新潟大学人文学部主催、佐渡市教育委員会共催のシンポジウム「折口信夫・池田弥三郎の見た佐渡」が行われました。本シンポジウムは平成22年に締結された連携協定に基づき、佐渡市内の研究成果を広く市民に共有するための取り組みです。

 
会場(佐渡島開発総合センター)

 
今回のテーマは民俗学、日本文学に大きな業績を遺した折口信夫と池田弥三郎。特に折口は「釈迢空」という筆名で歌人としても活躍したほか、『死者の書』という小説を書いたことでも知られます。今回のシンポジウムでは、佐渡という視点から、折口とその愛弟子である池田の学問について議論されました。
 


開会の挨拶(松井学部長)

 
1本目の講演は、慶應義塾高等学校教諭の佐藤陽氏による「折口信夫の学問における離島の位置」でした。折口信夫は民俗学研究のために、沖縄をはじめとする離島に注目し、何度も足を運びました。講演では、折口の離島採訪が学問に与えた影響や、講演者自身による壱岐・対馬の調査の成果などが報告されました。
 


佐藤陽先生講演

 
2本目の講演は、本学部准教授の中本真人氏による「折口信夫・池田弥三郎の佐渡の旅」でした。前半では、池田弥三郎が佐渡を訪れた動機について、柳田国男の佐渡の旅の影響も踏まえつつ紹介されました。後半では、釈迢空の短歌を読み解きながら、佐渡における折口の視点が提示されました。
 


中本真人先生講演

 
3本目の講演は、元大阪芸術大学教授で俳人の三村純也氏による「池田弥三郎の学問とその人柄」でした。講演では、池田弥三郎の最後の弟子という立場から、その人柄が紹介されました。また実際に池田の指導を受けた経験を踏まえつつ、その学問の意義について説明されました。
 


三村純也先生

 
会場には45名の来場者がありました。講演・実演のあとはパネルディスカッションが行われ、会場からは多くの質問や意見が出ました。また全体の司会は、本学大学院現代社会文化研究科博士前期課程2年の小澤ゆいさんが担当しました。
 


閉会の挨拶(香遠佐渡市教育委員会教育長)

 
人文学部と佐渡市教育委員会では、来年度も佐渡学セミナーとシンポジウムを予定しています。次回も奮ってご参加いただきますようお願いいたします。(文責:中本真人)

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